<事業主の仕事をこなす>
■マニュアルの遵守
FCに加盟し、店舗運営で気をつけなければならないのは、まず、マニュアルの遵守である。マニュアルにはFCシステムを円滑に稼働させるために、加盟店がどんな活動をしなければならないかが詳細に記載されている。さまざまな決め事があるが、これに従ってはじめてFCシステムがシステムとして機能する。だから、「この程度のことは守らなくてもいいだろう」といった勝手な自己都合で解釈してはいけない。
よく、「商売の未経験者の方がFC加盟店に向く」と話す本部がある。なぜかといえば、経験があると商売に対する自分なりの考え方、仕事の方法をすでに持っており、マニュアルを遵守せず勝手な行動をとってしまうことがあるためだ。これでは元の木阿弥で、好業績も望めないし、本部からは注意を受ける。さらに、チェーンとしての統一的イメージを崩すことにもなりかねず、その場合には他の加盟店にまで迷惑がおよぶことになる。
FC加盟で独立した以上、チェーンの一員であるという自覚を持つとともに、成功のフォーマットとなるマニュアルはきちんと守ろう。 |
■人と資金の管理
事業主は経営資源といわれる「人・商品・資金・情報」の管理をする必要がある。けれどもFCでの独立であれば、「商品と情報の管理」は主として本部が行い、事業主の仕事は「人と資金の管理」が中心となる。
まず、店舗スタッフについてだが、人は多分に心に左右されるもの。だから、気持ちよく仕事に取り組んでもらうため快適な職場環境を提供し、スタッフ同士の関係も良好に保てるよう、気配り、目配りを心がけよう。彼らが人員のままでいるか、それとも人材となって業績向上に貢献してくれるかは、スタッフの上に立つ店長の姿勢に大きく左右される。店長が自ら進んで真剣に商売に取り組む姿勢を示せば、スタッフも意欲的に仕事に取り組んでくれるだろう。皆が一丸となって業績向上という目的に向かえば、成功への確率も高くなるというものだ。
そして、資金管理は事業主であれば当然会得しなければならない要素である。会計処理を本部が担当してくれるFCもあるが、すべて本部任せでは資金管理能力は身に付かない。そこで、まず日々の現金の動きは確実に把握すること。収入となる売上額と本部に支払う仕入額などは本部から伝えてもらえても、それ以外の金銭の受け払いは各加盟店で管理することになる。「勘定合って銭足らず」などといわれるが、特にFCは日銭商売が多いから、そのような事態にならないよう領収書の保存も含め、収支と現金残はその日のうちに合わせる習慣をつけよう。
確定申告は自ら行うことになるが、これは一般に青色にした方がメリットがある。そのためにも本部からの会計書類が理解できる、または複式簿記で帳簿がつけられるといった程度の知識は持つべきである。
費用に占める人件費の割合は大きい。リーダーシップの発揮とともに、効率の良い人員配置を心がけること。さらに、モチベーションの向上が臨める人事・賃金制度なども工夫するとよいだろう。 |
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<フランチャイズであるメリットを活かす>
■地域に密着した営業を
次に、地域に密着して固定客をできるだけ多く獲得できるよう努力しよう。FC店の展開では、各加盟店主は一般にそれぞれの地域の住民であることが多い。とすれば、地域特性に詳しく、または自分なりの人脈をもっている。FC本部がどこに所在しようと、比較的早い時期にその地域に根付くことができるわけだ。店長が本社から派遣されるレギュラーチェーンとは、これが大きく異なる点の一つである。
従って、このメリットを活かし、「お客の顔と名前を覚えて、一声かける」「お客の好みを覚えて、良い商品が入ればこちらからお知らせする」といったことなど、地元の固定客を増やしていこう。良い評判を獲得できれば、やがて多店化する際にも有力な足掛かりとなる。 |
■本部と有効なコミュニケーションを
そして、本部との関係を有効に保つことだ。FC店と一般店との違いは、店舗経営の機能を本部と加盟店が各々分担し、効率的な体制をつくっていることである。分担して仕事を行う以上、両者が協力しあい、分担の効果を十分発揮できるようにしないと、せっかくの体制が無駄になってしまう。
そのためには、SV(スーパーバイザー/以下、SVと略)とのコミュニケーションを良好に保つ努力をしよう。店舗経営していくうち、日常的に本部の窓口となるのは、およそ月に1回の割合で巡回してくるSVである。このSVは本部からの連絡事項を伝えたり、店舗運営の基本であるQSC(クオリティ、サービス、クレンリネス)のチェックや、本部で処理した加盟店の経営数値に基づくアドバイスを行う。
そこで、一方的にSVの話を聞くだけではなく、こちらからも積極的に話をしよう。困ったことがあればひとりで悩まず相談する、本部の営業方針などで疑問に思う点があれば率直に質問するなどして、積極的に彼らとコミュニケーションを図り、意志疎通を密に保つようにしておくことが大切だ。
最初の頃は商売のごく基本的なことから頼りにできるし、ゆくゆく多店舗化したいような時や、近隣出店でテリトリー問題が生じそうな時も、事前にコミュニケーションをよくしておくことでトラブルを回避し、円滑に進めることも可能となるはずだ。
FC加盟での成功の可否は、加盟したFC本部に拠る部分はもちろん大きい。しかし、どんなに良いFCを選択して加盟したとしても、それに甘んじて努力をしなければ成功は望めない。毎日の地道な活動、努力の積み重ね、そして、やる気が成功に繋がるのだ。 |
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