新しい飲食店開業
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事業計画と資金調達
 飲食店、小売業は「立地産業」ともいわれるように、出店候補地が業種・業態に適しているかどうかで店の業績を大きく左右する。失敗する人の約半数は、不適切な立地条件が要因という話もあるくらい重要なファクターなのだ。

 たとえば、繁華街での焼き鳥屋を想定している人が、郊外のロードサイドを求めるはずはない。開業を決意した時に、店のイメージ、立地は大体想定しているわけだから、まずはそれに近い物件を探すことになる。

 立地を限定している人は、根気よくエリア内で探すしか方法はないが、そうでない人は、立地の選定にまず着手する。選定基準は多々あるが、一般的には商圏調査を行う例が多い。

商圏調査は「歩く・たずねる・確認」の3つが大原則。現地に足を運び、街の雰囲気を肌で感じとるところからはじまり、乗降客数や通行量のカウント、近隣店舗の利用客の観察、競合店の実態把握などのタウンウォッチング的な見方と、統計データなどを入手して地域特性をつかむマクロ的な見方との2本立てで行う。その結果を分析し、総合的に判断するのだ。本格的な調査は人と資金をかなり投入しないとできないが、タウンウォッチング的なことぐらいはしておこう。後々のメニュー構成や販売戦略にも役立つはずだ。

 店舗物件情報を入手するには、(1)店舗専門業者に依頼する、(2)「新しい飲食店開業」のような情報誌を活用する、(3)街の不動産屋をくまなくあたる、(4)ビルのオーナーと直接交渉するといった4パターンがある。(1)と(3)はいい物件を見つけられる可能性はあるが、根気と労力のわりには情報は微量。(2)は相場を知るためにも目を通すべきだが、情報がレアでない場合がある。何しろ店舗物件は流通しにくいという特殊性を持っている。となると、やはり餅は餅屋方式の専門家に任せることが迅速で確実だといえる。

 専門業者に頼むにあたっては、信頼できる業者選びも怠れない。目安としては、免許番号の後ろにあるカッコの中の数字に注目しよう。大きいほど営業年数が古く、実績があると考えられるからだ。

 親身になって探してくれるとか、知識が豊富であるかなど、話をしながら営業マンの質を見抜くことも大切だ。いい加減な担当者は、「早く決めろ!」と急がしたり、こちらの要望はそこそこにガンガン攻めてくるような人に出くわしたら疑ってみた方がいい。

 物件を探して100%満足いくものを見つけられたら幸運だろう。妥協はすべきでないが、何百件も回ることに挫けて「まあいいや」とばかりに、中途半端な物件をつかまないようにしたいものだ。

 なお、業種によっては公的機関への認可・届出の必要があるので、物件が決まったら商工会議所なり役所で相談し、確認しておこう。

店舗ガイド1
一言に“店舗”といってもいろいろだ。
基本的にはスケルトンと居抜きに大別されるが、内装設備などが備わったリース店舗などもある
ここでは、店舗それぞれの内容とポイントを述べていこう。
スケルトン&居抜き
新築は少なく、居抜きの方が断然多い
 「スケルトン」とは、内装などの造作をつける前の状態をいう。自分の思い通りの店づくりをするには、この方がいいわけだが、不況の中で新築ビルが少なくなっていることもあって、「居抜き」物件の方が多いというのが実状である。

 居抜き店舗には内装や厨房設備のほかに、今までその店に通っていたお客という付加価値が付いている。それを「造作譲渡権」として前のオーナーが売りに出す。金額は立地条件から割り出されることが多く、場所が良ければ使える状態の厨房設備がなくても高い値で取引される。

 全面改装を覚悟の上で造作譲渡を買うことも珍しくないが、その後の工事でさらに大金をかけなければ営業できないようでは困る。買った造作をなるべく活かし、内装設備費を節約できればそれに越したことはない。

 そこで、居抜きを借りる場合のチェックポイントを押さえておきたい。  まず、電気の容量。ビル全体の電気の容量が足りない場合、増設工事をするには200〜300万円の費用がかかってしまう。水回りも直すのは大変だ。特にトイレが不自然な位置にある物件などは要注意。おかしな所にあるのは、そこに造らざるを得ない事情があったと考えられる。

 飲食店の場合は、厨房の吸排気のバランスも必ず見ておきたい。吸気が足りないと入口から空気が入り込み、客席のエアコンが効かなくなってしまうし、排気が足りないと店内に熱がこもってしまう。

 だから、こういった最も金額が張る基礎工事の有無に関しては、素人では判断できないので、物件を見る時には内装施工業者に相談することが不可欠といえる。

 内装設備で最も金額が張るのが、厨房設備→店の前面造作やカウンター造作→エアコンの順。今までのものをどこまで利用できるのかといったことを予算と照らし合わせた上で契約すれば、間違いがないだろう。

 造作譲渡の交渉をする時は、その内容を明確にし、大きなものはリストを必ず作ろう。時には、元オーナーが契約までの間に金目のものを持ち出してしまうこともあるからだ。

 また、リースの残債は誰が払うのか、電気機器類は動く状態かということを確認しておくことも忘れずに。そして、物件の造作譲渡契約と賃貸契約は同日に行うのがトラブルを防ぐコツだ。
ミニ店舗
今の時代にマッチ 内装はデザインよりも機能を
 独立開業する場合、あるいは新しいビジネスチャンスを探すためのアンテナショップなど、低投資と小スペースで開業できる10坪以下のミニ店舗のニーズが高まっている。ミニ店舗は初期投資が小さくローコストオペレーションのため、損益分岐点が低く設定できるので、売り上げの上がらない今の時代にマッチしているからだ。

 ここでのポイントは、内装業者に発注する時、デザインより機能重視にするということ。特に厨房は仕事しやすいレイアウトにすべきで、狭いスペースをいかに効率よく使うかということに徹したい。客席は視覚的に広く入りやすいように工夫しよう。

 店が小さいだけに外見的にも、また、内容においても店の特徴を明確にアピールすること。これがミニ店舗が生き残るためのコツである。

リース店舗
スナックに最適なシステム
100万円程度の小資本からOK!
 あらかじめ内装設備が付いた貸店舗を「リース店舗」と呼んでいる。その分、家賃は多少高めに設定されているものの契約金は通常の相場より安く、100万円程度の小資本で開業できることから、初めて開業する人には人気が高い。

 適する業種は、スナック、バー、居酒屋、小料理店、ブティックなどだが、圧倒的に多いのがスナックである。というのも、オーナーはテナントが変わってもそのままの設備で次のテナントに貸すことができるよう内装設備を施すのが一般的で、それに合う業態がスナックなどだからだ。レストランなどは厨房機器が多様なので、その点をよくチェックすること。

 また、契約する時には詳しい賃貸条件はもちろん、設備機器類や店の看板が出せる場所、どこまで手を加えていいのかといった許容範囲の確認が必須だ。大家さんの職業や人柄、特にビルインの場合は前のテナントの営業時間や光熱費なども参考に聞いておくと安心だろう。

住宅付き店舗
住居が優先なのか、商売第一かで
店のやり方も変えていく
 店舗と自宅は近い方が便利である。特に夫婦で店を始める場合、奥さんが家事と店の手伝いとを両立させるためには、近いことが絶対の条件だろう。その条件に合っているのが「住宅付き店舗」である。

 住宅付きには貸・売店舗ともに物件はあるが、建物が古く、場所も今一つといったものが多い。商店街など立地的に恵まれた所は、やはりそれなりの値をつけている。家を買うついでに、脱サラして店でも始めようといった甘い考えは通用しない。物件を探すときには住居を優先するのか、商売第一なのかをまずはっきり決めてから。

 住居が優先ならば、店は奥さんが始めて、軌道に乗るまでご主人は外で働くことが理想だ。また、商売優先ならば、立地条件と営業面積を重視して物件を探すこと。その上で融資が受けられるか、立地が今の時代に合っているか、そして、古い建物であれば造作が使用に耐えられるかを検討してから決めよう。

日貸し店舗
保証金、権利金なし
低予算での開業が可能
「日貸し店舗」は、一部でレンタル店舗ともいわれる。一般にいわれる日貸し店舗とは、使用料の支払いは1日単位。保証金・権利金はかからない。什器や照明なども完備され、商品さえ用意すれば、すぐにでも開業できる。物販業態が大半だ。

 利点としては、開業資金がほとんど必要ないこと。そして、仮に失敗しても、リスクは最小限だ。日貸し店舗だと契約期間は最長でも1週間。その場が経営に適していなければ、それ以降は契約しなければいい。

 しかし、この物件にはそれなりの制限もある。まず、使用料の問題だ。1日単位で換算すれば比較的手頃な値だが、ひと月の場合は常設店舗と同様、または、多少割増しの使用料となる場合もある。最も保証金などは不要だが…。

 また、内装を自由に変えることはできない。水回り、空調回りも完備されていないので、業種が物販・サービス店舗に限られる。物件にもよるが、営業時間が制限されている場合もあり、深夜までの営業は難しい。

SC(ショッピングセンター)テナント
募集は事前の説明会か、
個別の出店交渉
 現在では、テナントがSCを選ぶ時代になってきており、賃貸条件もテナント側に有利になってきている。従来の高額な保証金を積む方式から、売上歩合の部分の比率を高める傾向が強まり、入店のハードルも低くなっている。しかし、その分、収入が売り上げに左右されるので、デベロッパーは“売れるテナント探し”に懸命だ。開発担当者は、新しいテナントの発掘に力を注ぎ、従来なら出店が不可能だった店でも個性のある“売れるショップ”ならば、条件を緩和して入居させるケースも増えている。

 しかし、飲食ゾーンにはこの傾向が及んでおらず、従来の顔触れが並ぶことが多い。それは、既存チェーンは運営に慣れていることなどがデベロッパー側としてもやりやすく、営業時間の制約もある。

 募集は事前に説明会などが開かれることもあるが、多くは個別に出店交渉する場合がほとんどだ。どんなに小さな店でも魅力のある店であれば声をかけられる時代になってきた。

契約について2
「契約ごとは苦手だ」と、お嘆きの読者も少なくないだろう。
しかし、物件取得のための契約は開業前の重要な大仕事。ここでは、契約の流れとポイントをアドバイスしよう。
契約条文をよく検討して捺印
不明な点は確認し、文書化する
 とにかく署名捺印する前に、契約の内容をよく読むことである。契約の締結時にほとんど理解しないまま署名してしまい、解約のときになって初めてこんな約束ごとがあったのかと驚く人が多い。それでは遅いので、確認しておきたいポイントを挙げておこう。

 まず、賃貸借物件の所在地、面積などの確認。その物件のオーナーを謄本などで確認しておくこと。

 賃貸借物件の契約期間、期間満了による契約更新の際の条件。更新料があればその金額も。賃料、管理費、共益費、看板料などの確認。保証金、敷金、礼金の確認と、償却がある場合は償却額の確認。最近は敷金が保証金に含まれることが多いが、両方必要なケースもある。

 「保証金」というのは、契約の保証をする証拠金として預ける一定の金額ということで、敷金と同じく賃料の滞納や賃借人側の責任による損害賠償などの債務の担保保証という考えだ。利息は付かず、解約時に債務不履行分を差し引いて返還されるのが一般的。保証金には、貸主の収益性を高める償却システムが付いていることが多いので、償却される金額も確認しておく必要がある。

 また、「礼金」は貸主に対する単なる謝礼、あるいは名義変更料として支払われるもので、戻ってこない。

 その他、営業業種の確認。特に禁止事項をよく読んでおくこと。解約予告の期間。これは、将来、解約するときにどれだけの期間をもって通告するのかというもの。そして、特約事項の内容もしっかり確認しておく。
手付金と預り金の違いに注意
預り金は請求すれば全額戻る
 「手付金」は、貸主に対して借り手が借りるという意思表示を金銭で表すもの。仮に貸主が都合で貸せなくなった場合は、手付金の倍額を支払う。逆に借り手が借りられなくなった場合は、全額放棄しなくてはならない。

 また、手付金の金額は、総額の10〜20%というのが一般的だが、双方の了解があれば何%でもよい。しかし、あまり手付金が少額だと、もっといい条件で借りたいという人が現れた時に、契約を破棄される恐れがある。

 物件が気に入り、借りる気持ちがありながら、手付金を支払っても契約するまで決意ができないときは、その物件をほかに貸さないよう不動産会社に金銭を預けることがある。これを「預り金」というが、これは不動産会社が約束を破ったとしても、ペナルティが課せれないのであまり意味がない。キャンセルした場合、全額戻してもらえることもお忘れなく。
  「重要事項説明」
チェックポイント
 宅地建物取引業法(宅建業法)では、不動産会社は賃貸(売買)契約を結ぶまでに、宅地建物取引主任者証を提示のうえ、その資格者本人が借り主に対して、賃貸借条件の説明、その不動産の権利関係の状況など、多数項目に及ぶ重要事項説明を書面に表して説明しなくてはならないと定めている。従って、重要事項説明書は、その物件を借りるか借りないかを双方が最終的に確認、借り主にとっては決断する材料となる。いわば、契約までの第一関門といえよう。
 また、重要事項説明は契約を結ぶ数日前に行われ、家に持って帰って今一度検討することができる。当然ながら、この内容が事実と異なる場合は、不動産業者にはペナルティが課せられる。借り主は細かな確認を怠らぬようしっかりとチェックしたい。

物件決定から契約までのフローチャート


1)開業の決意 2)資金調達 事業計画 3)物件探し 4)店づくり 5)開店準備 6)オープン



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